OUR VISION

多細胞生物パラダイムの変革へ

植物は、隣接細胞の細胞壁を貫いて原形質を直接つなぐ原形質連絡と呼ばれるトンネル構造により個々の細胞の原形質空間を共有しており、さらに全身に張り巡らせた篩管によってそれらを結んでいます。この全身で連続的に共有された原形質空間はシンプラストと呼ばれますが、近年の研究によって、シンプラストは従来の想定よりもはるかにダイナミックな情報伝達の場であり、環境変動下における植物の細胞間・組織間コミュニケーションに重要な役割を果たすことが次々と明らかとなってきました。本領域は、私たちの独自の知見に基づき、シンプラストの形成機構と機能制御、およびシンプラストが駆動する個体秩序と生存戦略の分子機構を解明することで、多細胞生物の個体統御機構に対する理解の変革を目指します。

領域代表 野田口 理孝
京都大学大学院理学研究科